浜辺暮らし

束の間の逃避行

2020-01-01から1年間の記事一覧

【短編】コラプス 第三章

自動歩行機能をOFFにして外に出るのは久しぶりだ。 友人と食事にいくときも、コンビニにいくときも、常に何かしらのメモリをスロットに挿して出かけている。 お気に入りのアーティストのライブ空間にいたり、ドラマを見たりしていたら、あとは勝手に目的の場…

【短編】コラプス 第二章

メザシに味噌汁に白米、漬物という質素な朝飯を済ませ、身支度をする。 いつもなら、会社から支給されたメモリーをスロットに挿し、仮想空間上の職場に出勤して、そこでナノサイズの医療ロボットを捜査し、患者の体内で細胞レベルの治療を施す仕事をしている…

【映画感想(素人)】TENET

この監督は何てことをしてくれたんだ!スゴイ!凄すぎる!もう最高! 最高にワケわからなすぎて、自分の脳みそがどっかに行ってしまったのかと探してしまったくらい! ノーラン監督の超難解な頭の中を可視化してしまう映像表現にもう脱帽! かっこいい画だな…

【短編】コラプス 第一章

ヂヂヂヂッ ー 脳に響く不快な目覚まし音でオレは目を覚ました。 部屋のなかには天使でも降臨するのかというほどの朝日の優しい光 が差し込み、 その光のなかに様々な淡い色の光の玉がそこ彼処に漂っていた。 新しい世界が始まったと錯覚するほどの美しい一…

【短編】コラプス 序章

深い森の中で白馬が一匹、死に絶えようとしている ー その馬、血を吐きながら、両方の前脚で空を掻いている。血は当たりに撒き散らされ、木々の新緑を天蓋に、その下で朱色の円形の舞台が形成されていた。 否、その舞台よく目を凝らすと、血のみではない。ぶ…