浜辺暮らし

束の間の逃避行

ワクチンと血栓

アストラゼネカとオックスフォード大が共同開発したワクチンで血栓が稀に起きるとのこと。 www.jiji.com 記事を基にすると、 発症確率は、4人/100万人=0.0004% 死亡率は、19人/79人=24.05% なので、 発症して死亡する率は、0.0004%×24.05%≒0.0001% ちな…

【短編】コラプス 第17章

世の中には虚しい行為とは知っていながらもついやってしまうことがある。 人間とは不思議でここまで社会、科学、情報技術が進化した今でもそれは古来より変わらない悪癖として壊れることなく継承されている。 関係の冷え切った異性に対して答えが返ってこな…

【短編】コラプス 第16章

深い森の中で白馬が一匹、死に絶えようとしている ー その馬、血を吐きながら、両方の前脚で空を掻いている。血は当たりに撒き散らされ、木々の新緑を天蓋に、その下で朱色の円形の舞台が形成されていた。 否、その舞台よく目を凝らすと、血のみではない。ぶ…

【短編】コラプス 第15章

抜き出されてようとするデータを出来るだけ引き留めようとデータベースを守りに入る。 マイナンバー、口座番号、暗証番号、生体情報、下界と繋がった紐を切るように必要なコードを切っていく。 防衛策を打ちながら、敵の攻撃が薄いことに気づく。それもその…

【短編】コラプス 第十四章

オレは家に帰るとそのまま自分の部屋に上がり、フロート行のIBMを挿し込む。 その瞬間オレの意識は再び電脳から自分自身の脳の支配下に戻った。 それと同時に一瞬の暗転 - 起動&ログイン - VPBNWの構築 - IBNからのアバター情報の読み込み - 各種情報の…

【短編】コラプス 第十三章

その日もオレはバス停とメモを見比べていく。 1件1件丁寧にチェックリストを潰していく。 バスが来てバス停に停まり、人が降り、乗り込んで、バスが発車して去っていく。 規則正しく繰り返される営みに沿って、情報の波が押し寄せてくるように錯覚する。 …

【マレーシア】お金関連を調べたメモ

マレーシアの通貨について調べてみる 通貨種類表にするとこんな感じー RMに印刷されている方は誰?マレーシア初代首相のアブゥドル・ラーマンという方とのこと。 1RMはいくら? 1RMで500mlの水を買えるとの情報アリです(目安) 最低賃金は? 2019年からは5.…

【短編】コラプス 第十二章

次の日もオレは林の中にいた - 視線はしきりにバス停と手元のメモを行き来している。 バスの時刻や行先、運転手、乗車する人達がメモと齟齬がないか、素早い手つきでチェックしていく。特に乗車する人達に新しい変化があれば、新たに書き起こしていく。 - …

【短編】コラプス 第十一章

帰宅したオレは玄関先で職場から支給を受けたIBMを耳裏のスロットから抜く。 恐らく仮想空間上での職場では退社の挨拶でも済ませたのだろう。 それと同時に、先ほどまで奇妙な行動をとっていた肉体の支配がHMM(Health Maintenance Memory)から本来の脳に移る…

【唯の独り言】移住の気持ちに向き合う

新型コロナで分断されてしまった世界。 そんな今だけど、考えたい。将来の移住先と生活。 どこに行き、何をすることで生きていくのか。 ただの憧れでしかない移住。現実との折り合いをどこでつけるのか。どんなスタイルなら実現できそうなのか。 若くもない…

【短編】コラプス 第10章

1日目はバスと乗車する人々を観察して終わった。 観察中は、バスの行き先、時刻、車種、運転手、乗車する人の顔、体型、歩き方など、全てを手書きのメモでDB化していた。驚くほどの速度、緻密さで。 薄暗い林の中で、蝸牛のように突き出した双眼鏡から得た情…

【短編】コラプス 第9章

翌日からオレの奇行は始まっていた。 1日目はいつも通りに起床し、窓辺に行き、コロに餌を与え、母親の手作りの朝食を食べ、出勤する。意識は仮想空間のデスクに行き、体はプログラムに操られ無意識的に歩いている。 ただし、いつもとは違う経路を歩いていた…

【短編】コラプス 第八章

判断力を放棄したオレはあの女に誘われるがまま、バーに併設された個室に連れられていった。妖精が馬を森の水辺に優しく曳くように優しくも蠱惑的に、深い苔を踏みしめぬよう注意深くも潔く。 その光景は他者から見れば、単なる家畜。 オレはなされるがまま…

【短編】コラプス 第7章

話しかけられること自体は珍しいことではなかった。そういう役割のNPCが配置されていることもあれば、男を誘うことで金を稼ぎたい女もいる、特に非合法の仮想空間にいれば日常茶飯事だ。 オレはいくつか質問をしてNPCではないことを確認すると、隣の席を許し…

【短編】コラプス 第6章

天井では人面太陽と人面月が食える星の数を競走し、地平線の先では天使と悪魔が雌雄混合でまぐわりあう、天空からも地平からもは聞こえるは凶器に満ちた笑い声。街を覗けば、淫乱下卑。着飾れどたかが放蕩者の群れ。酒に体液、薬に排気ガス、芳しきこの余の…

【短編】コラプス 第3.5章

街を歩くと、市長選挙の時期らしく、街頭演説のホログラムが各所に立っていたり、IBN(インターブレイン・ネットワーク・システム)を介して投票を呼びかけるメッセージが送信されてきたりと騒々しかった。 そうしたなか街頭のディスプレイでは日本の集団的自…

【短編】コラプス 第5章

橋に続く道の奥から定刻通りに完璧な姿勢制御の下で一切の音を立てることなく、宙に漂う洋館の幽霊のような静けさでバスが近づいてくる。 バス運転手は頭の中では事務仕事をこなしながら、その身体はコードに操られてマリオネットのようにハンドルを操り、微…

【建築】写真: 佐倉市庁舎

黒川紀章先生による設計。 千葉県佐倉駅近くの坂の上に佇む。 白を基調としたメタボリックな建物。 タンスの引き出しのようで親近感を感じる。 行動建築論 メタボリズムの美学 / 黒川紀章 【本】価格: 2420 円楽天で詳細を見る

【短編】コラプス 第四章

自宅を出て20分ほど歩き、市内へ流れ込む川沿いの林のなかにオレはいた。ここは上り坂にあって、川に掛かった橋の袂に佇むバス停を監視できる。 バス停には目をグルグルと回す奇人共が10人程並んでいた。皆がそれぞれのライススタイルに合う仮想空間を選択し…

【短編】コラプス 第三章

自動歩行機能をOFFにして外に出るのは久しぶりだ。 友人と食事にいくときも、コンビニにいくときも、常に何かしらのメモリをスロットに挿して出かけている。 お気に入りのアーティストのライブ空間にいたり、ドラマを見たりしていたら、あとは勝手に目的の場…

【短編】コラプス 第二章

メザシに味噌汁に白米、漬物という質素な朝飯を済ませ、身支度をする。 いつもなら、会社から支給されたメモリーをスロットに挿し、仮想空間上の職場に出勤して、そこでナノサイズの医療ロボットを捜査し、患者の体内で細胞レベルの治療を施す仕事をしている…

【映画感想(素人)】TENET

この監督は何てことをしてくれたんだ!スゴイ!凄すぎる!もう最高! 最高にワケわからなすぎて、自分の脳みそがどっかに行ってしまったのかと探してしまったくらい! ノーラン監督の超難解な頭の中を可視化してしまう映像表現にもう脱帽! かっこいい画だな…

【短編】コラプス 第一章

ヂヂヂヂッ ー 脳に響く不快な目覚まし音でオレは目を覚ました。 部屋のなかには天使でも降臨するのかというほどの朝日の優しい光 が差し込み、 その光のなかに様々な淡い色の光の玉がそこ彼処に漂っていた。 新しい世界が始まったと錯覚するほどの美しい一…

【短編】コラプス 序章

深い森の中で白馬が一匹、死に絶えようとしている ー その馬、血を吐きながら、両方の前脚で空を掻いている。血は当たりに撒き散らされ、木々の新緑を天蓋に、その下で朱色の円形の舞台が形成されていた。 否、その舞台よく目を凝らすと、血のみではない。ぶ…